Mira
専用住宅
木造・F3
延床:199.36㎡
東京都目黒区
目黒区五本木の個人住宅。クライアントの希望デザインはミラコスタ、ディズニーシーのホテルである。我々建築家は学生時代からミース・ファン・デル・ローエの「Less is More」に憧れ実践している傾向にあるが、その後のビャルケ・インゲルスの「Yes is More」という言葉にも耳を傾けなければならないと思っている。私は日頃から住まう人が主役で、愛着を持ってもらえる家を設計する主義なのでクライアントの要望にYesと言うところから設計提案をした。
ちょっとだけ古典様式部材を使ったりしている日本の住宅では、どこかチグハグな家が多いと感じている。また、郊外の庭の多い住宅地域であれば思い切った装飾も有りだと思うが、都市型住宅である今回のプログラムにはデコラティブな建築古典様式であるイオニア式やコリント式は過剰な感じがしていた。デザインの方向性はセンスが問われるのである。そこで私は「直線に寄り添う曲線」というコンセプトでデザインを進める事にした。
玄関は壁面の直線モールディングや直線窓格子に寄り添うようにサーキュラー階段(カーブ階段)を配置し曲線ロートアイアンで空間の密度を調整している。天井高さ5.15m有する直線的な立方体のLiving空間上部にもロートアイアンで曲線が寄り添うように施し、キッチンからは玄関上部の円形螺旋状シャンデリアがインナーウィンドウ越しに見える様にして直線空間に曲線を感じさせている。また、外観においては窓上に設けたペディメントは三角形が王道であるが、スクエアなフォルムに寄り添う曲線として可愛らしさも演出したかったので円形を採用している。そして、建築の古典様式におけるオーダーはドリス式を採用し、バラスターや他の装飾との調和を試みた。
通常より装飾が多い家なので職人達からは質問も多くあったが、みんなで協力し合って造り上げる事が出来た家である。そんな現場の人達からは五本木のミラコスタと呼ばれている。
※左官屋さんへ:外装に私に黙って隠れミッキー仕込みましたね・・・気付いていますよ!(笑)
architect:Takeshi Kobayashi
photographer:Shigeyanagi