Helix

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専用住宅

W造・F2

延床:166.49㎡

東京都目黒区

 ホテルライクな空間、ガレージに面した書斎(書斎から車側面を望める様に)、パティオ、開放的な明るくプライバシーが確保できるLDK、吹き抜けLiving、屋外が感じられる浴室・洗面、キッチンから勝手口動線の確保、広いパントリー、LaundryRoom、GuestRoom、Iot機器の導入などなど。初めてお逢いした時、クライアントはエクセルシートに自分たちの100項目に近い希望をリストアップし、家について考えられていた。
 目黒区の閑静な住宅街。東側の前面道路から約1.2m上がっている敷地で、ほぼ正方形の地形である。綺麗に区画された街並みは高級住宅地である事を認識させるには十分である。クライアントの熱量をしっかりと受け止めエスキースを始めると、改めてこれは難易度が高い条件である事を認識させられた。しかし、設計のプロとして要望以上の提案をしたいのである。いくつか計画案を練り上げる中、敷地が道路から約1.2m上がっている事、地形が正方形という事と書斎の希望条件から各部屋(スペース)が上下動線である階段を中心として巻き付いていくようなゾーニングが良いと感じられた。イメージはHelix(螺旋)である。

 結果、6つの床面が螺旋状に巻き付く事になった。下の床面から1つ目の床はガレージ・書斎、2つ目の床はLDK、3つ目の床は浴室などの水廻り、4つ目の床はGuestRoom・子供室、5つ目の床はMBR、6つ目の床は屋上テラス。旋回するゾーニングはスキップフロアーになり、法的な高さ制限もクリアさせている。しかし、その分、構造計画の難易度がMAXとなったが、クライアントの希望を満たすゾーニングとしては納得のいく計画である。また、高さ方向(断面計画)に単純に2層ではない豊かさが生まれ1.5層分の高さがあるLiving空間、プライベートBathCourtの配置、半層動線による家族の気配がより感じられる住空間が取得出来た。
  設計のプロとして基本は全て夢を叶えてあげたいのである。そして、サプライズな空間も提供したいのである。外観はシンプルな箱型に見える家であるが、クライアントの夢を受け止め背負い、考えつくした家である。きっと住み続ける事によってジワジワ良さが判ってもらえると自負している。

architect:Takeshi Kobayashi

photographer:Shigeyanagi

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