天空海闊
専用住宅
W造・F3
延床:223.43㎡
東京都世田谷区
天空海闊(てんくうかいかつ)とは、天や海が広い事から広い心を持っている、度量が大きいと言う意味である。夫はアクティブで良い意味で豪快、妻は家族思いの広い心の持ち主。クライアントにお逢いして抱いた印象である。
計画地は北と東道路に面した角地であり、東側には広い公園のテニスコートが有る日当たりの良い場所である。将来は2世帯の可能性もある事からエレベーターの設置と水廻りは2ヶ所の要望があった。
当事務所に依頼される時に他の設計事務所数社からもプラン提案を受けていたようだが、当事務所の天井高さ3mの最上階リビングや各スペースの細かい配慮を気に入って戴き設計がスタート。法制限が許す限りの3階建てボリュームで全館空調まで導入する為、構造はルート2設計を採用し、最上階の天井高さを可能にしている。また、全館空調の導入によりエントランススペースに階段を隣接させ縦方向に繋がる思い切った吹き抜けを試みた。
吹き抜けは空間的には楽しい場所だが熱環境を考えると配置の仕方によっては不快なものになってしまう可能性がある。熱交換型換気扇と局所コントロール出来る全館空調は吹き抜けの熱環境を整えるには床暖房を併用し、有効な手段だと考えている。
また、一般的には3階建ての最上階リビングは動線的に不利なイメージがあるが、この家のプログラム、眺望や構造的観点から最適解と判断した事がクライアントと意気投合出来た大きな理由だと思っている。
設計中から狙っていたリビングバルコニーからは隣接する公園を眼下に、どこまでも広がる空が感じられクライアントに抱いた印象と相まって「天空海闊」と命名した家である。
architect:Takeshi Kobayashi
photographer:Shigeyanagi